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ハクサンハタザオのもう一つの顔

 先日のMさんやAさん、そして昨日のTさんのブログにあるように、今石見銀山のあちこちでハクサンハタザオの群落が目を引きます。ハクサンハタザオが銀など貴金属を見つけるための指標植物となり得るのかということは置いておいて、今この植物の生理生態の特徴とその能力が注目されています。

新切公園付近の様子「東屋の東側」

 

比重が4〜5以上の金属を重金属と言います(定義によっては鉄の比重7.8以上のものを言う)。鉄、銅、亜鉛などある種の重金属は、動物や植物の生命活動にとって不可欠のものではありますが、カドミウム、鉛、水銀などの重金属は動植物の生体に強い毒性を示すものもあります。また、金や銀など生体内に摂取しても毒にも薬にもならない重金属もあります。

ハクサンハタザオなど指標植物といわれるものは、生体に有毒、無毒にかかわらずある種の重金属を平気で生体内に取り入れるらしいのです。すなわち、無毒な金や銀だけでなく、有害なカドミウムや鉛を取り入れても、それらを生命活動に重要な細胞内には入らないようにブロックする仕組みになっており、かりに細胞内に入ってきてもある種の物質と化合物を形成して無毒化されるらしいのです。ある研究機関で鉱山跡地に生息する植物のイタイイタイ病の原因物質として知られるカドミウム含量を調べたところ、ハクサンハタザオのそれは他の植物に比べ数十倍と、群を抜いて高い濃度を示したそうです。筆者はお客さんにハクサンハタザオを紹介する時には「正直爺さんがこの下を掘れば 金銀が、欲張り爺さんが掘ればカドミウムが出ます」と言っています。

遊歩道 新切間歩の手前付近の様子

 

 塩害に強い植物や乾燥に強い植物では、それぞれの細胞構造の違いや分子レベルでの耐性メカニズムが明らかになっているように、植物の有害重金属に対する耐性メカニズムについても基礎研究が進められています。現在、植物を使って有害重金属に汚染された土壌を修復するという応用研究も国内の大学や研究機関でさかんに行われるようになりました。ハクサンハタザオのカドミウム集積能力を利用して、植物体にカドミウムを集積させ、これを刈り取り、汚染された土壌を修復するという技術です。この技術をファイトレメデーション(phytoremediation:植物修復)というのだそうです。石見銀山にとってもなじみ深い藤田組の技術研究所(1960)として創設されたフジタ技術センターでは、現在ハクサンハタザオを使ってカドミウム汚染土壌を修復するという研究が進められており、この分野の研究を一歩リードしています。ハタザオを振って応援したくなります。

残念ながら放射性物質であるセシウムには効果がないということですので、放射能の除染には使えそうにありません。また、ハクサンハタザオのバイオマス(単位面積当たりの植物の重量)としては小さいので、ハクサンハタザオの遺伝子をモウソウダケなどバイオマスが大きく成長が速い植物に組み入れて利用できるようにすれば、ノーベル賞が貰えるかもしれないと勝手にモウソウしています(O)。

| ガイドつれづれ日誌 | 00:14 | comments(1) | trackbacks(0) |
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コメント
 いやぁ、ハクサンハタザオ様、恐れ入りました。

 今咲き乱れている花々に応援したくなりました。
| iso800 | 2018/05/03 7:56 AM |
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