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ダークツーリズム(Dark tourism)

 早いものでこの3月11日で、東日本大震災から6年になりました。津波の被害を受けた地域は、徐々にですが確実に復興が進んでいます。ところが、福島原発周辺では、避難指示地区が徐々に解除されても、戻る人はあまりいません。未だに多くの農地と漁場を奪われたままです。双葉町商店街に掲げられていた「原子力明るい未来のエネルギー」の看板がいつのまに撤去されていました。野良犬がうろつくだけのゴーストタウンに掲げられていたこの看板を見ておけばよかったと思いました。

そしてチェルノブイリ原発事故からも31年たちます。チェルノブイリは世界の穀倉地帯といわれるウクライナにあります。小麦畑が果てしなく続き、麦の穂が風に揺らいでいた肥沃な土地に、今灰色の風が吹き荒んでいます。チェルノブイリ周辺30kmは今なお立ち入り禁止となっています。原子炉を封印した石棺が今ぼろぼろになり、さらにこの石棺を覆うように巨大なシェルターが建設中だといいます。その高さは東京ドームの2倍もあるそうです。荒寥とした原野にそそり立つ石棺や、当時のままに教科書や防毒マスクが散乱した教室の様子を見に行き、眼裏に刻んでおきたいと思います。今、チェルノブイリとフクシマを世界遺産にという運動が持ち上がっています。もし登録されれば、核関連の 世界遺産では、広島の原爆ドーム、アメリカの核実験場があったビキニ環礁に次ぎます。

その成否はともかくとして、最近、ダークツーリズムとよばれる観光が注目を集めています。これは、災害、大量殺害、戦争の跡地など、負の遺産を巡る観光のことを言うようです。今では、福島原発を間近で見学するツアーも組まれ、結構人気で昨年だけで観光客は年間2万人近くもあったそうです。一方、チェルノブイリでも沢山の観光客が押し寄せているようです。お土産物屋には、Tシャツや帽子、置物などの様々なグッツが並び、その売り上げ利益は、犠牲者の救済や環境保全に役立てるというメッセージも。今やニューヨークのグラウンドゼロでも旅行客相手に商業活動が盛んに行われているようです。

ダークツーリズムの問題点は何か。筆者のフクシマやチェルノブイリを見て、脳裏に焼き付けておきたいという願望は、単に筆者の個人的な興味の対象でしかないのかもしれません。動機の根源を問われているのですね。ダークツーリズムは、安易な商業主義にのって、犠牲者の尊厳を傷つけてしまうことが大いにありうるということです。

原爆ドームの場合はどうでしょうか。昨年夏、オバマ前アメリカ大統領が、原爆ドームを訪れた時の大部分の日本人の反応は、原爆投下の命を下した張本人ではないにしろ原爆を落としたアメリカの大統領に対して「帰れ」ではなく「ようこそ」でした。悲劇を風化させないというダークツーリズムを肯定的にとらえた典型的な例でしょう。

石見銀山も光の部分だけを強調しがちですが、ダークツーリズムという視点からみると、いろいろなことが見えてくるような気がします(O)。

| ガイドつれづれ日誌 | 01:10 | comments(2) | trackbacks(0) |
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コメント
 先日民放TVで、フクシマの汚染地帯で放牧していたと思われる牛の様子が放映され、些かショックを受けました。牛たちは汚染された牧草を食べた影響なのか、脚が立たなかったり動けなかったりしてして殺処分されていて、飼い主が呆然としてそれを見守る映像でした。やはり白血病に罹っていたようです。

 原子力は人類が永遠に「テコに負えない」まがいモノなのか、将来の有効利用のために今から手をうつべき希望の光なのか、判断が難しいところですが、現状はまず「危険物」として扱うことが正解かもしれません。

 Dark Tourismは、単なる物見遊山としてとらえるべきではなく、あくまでも戒めの場、ないしは学び・教育の場として活用すべきでしょう。
| iso800 | 2017/03/16 11:22 AM |
《 悼む旅・・》

Mourning Tourism (私の勝手な造語です。為念)

石見銀山遺跡は、世界遺産登録基準の上位に建築、技術、都市計画などが並ぶため、私たちもどうかすると「近世鉱山開発の先駆的役割」とか「採掘・精錬過程のシステム」など「技術・モノ」の優秀性を力説しがちです。
私は、(A)さんが「〜と文化的景観」の部分を忘れてはいけないとの要請を繰り返し、町並み観光の再生を訴えられるのは、現状の、この「偏頗性」に警鐘を打たれているのだと理解しています。

私は(O)さんの紹介される「ダークツーリズム」は初めて教えて頂きましたし、チェルノブイリや福島第一の原発事故の文明史的意味に関してはあまりに大きすぎて手に余ります(福島原発の事故防止チャンスを無視した勢力、原発事故下で”国難”を政争に利用した政治家、名ばかりの「復興」を支持率浮揚策としか思っていない政権、これらの”犯罪性”には黙るわけにはいきませんが・・)。

よって、ダークツーリズムへの安直な言及は避けますが、私が予てから抱いている、
ゞ篁外篝廖聞杙魁δ並み)に点在する「慰霊」に関わるモニュメントの多さ
鉱山遺跡が必然的に包含せざるを得ない「死の隣在性」
6篁外篝彖竿未膨鳴譴垢襦⇔鮖砲砲鰐樵阿垢藥弔気覆そ醋院鉱夫とその家族の「人生と死」などについては、個人的にも更なる「照射」と事実の掘り起しが必要と考えています。
また、熊野参詣道や平泉宗教遺跡群のようにストレートな「信仰モニュメント」ではないにしても、「何かあるいは何者か」を「悼む」ことを指向されている人たち、「祈る」という行為で精神的な安らぎを必要とされているひと達に、銀山の持つ「ある種の精神性」を紹介できればいいとも思っています。
具体的には、『銀山百ヵ寺』の再評価と歴史的意味合いの検証なども急務でしょう。

ただ、大急ぎで誤解のないよう釘だけは打っておきますが、私の以上の「感想」は、現代社会で氾濫している「あるムード」とは厳格な一線は画しているつもりです。関わり方においても、現説の不用意なバラ撒きにおいても、慎重な”取扱い注意”が必要です。
「精神なんたら」「ヒーリングなんたら」「健康なんたら」という安手の「スピリチュアルビジネス」が猖獗を極めていますが、少なくとも石見銀山遺跡の存在意味と本質存在が見えなくなる事だけは避けるべきです。

銀山の古文書(未公開)を読む会」会報8から抜粋
『銀山耳袋』
(ぎんざんねこのふぐり:銀山の珍談・奇談、庶民の噂話を採録:年代不明)

丁稚のかめ吉:「ご隠居様、大変です。ついに”ちゅま(妻)から日本を取りもろす国”が銀本位制から”えん本位制”に変わります」
隠居の聖兵衛:「なんじゃそれは?儂には難しい事はようわからんぞ。IMFの変動相場制採用とアメリカの金本位制廃止でスミソニアン体制は瓦解したのじゃなかったのか。で、次は”円”が天下か?」
丁稚:「分かってるじゃん・・。いえ!”円本位制”ではなく”縁本位制”です。世の中全て、でんでん総統との縁故関係でのみ、役職もらったり国の土地をただでもらったりします」
隠居:「おお、聞いたことあるぞ。たしか、”売国土”制とか言ったのぉ」
丁稚:「この制度変更に併せ、”暗黒道中膝栗毛”というツアーが復活します」
隠居:「話の持って行きようがムリクリのような気もするが、それはなんじゃ?」
丁稚:「はい。ご領内の間歩の中を螺灯もなにも持たずに一日じゅう徘徊し、己の内なるダークな面を内省する、すぴりちゅある・健康ツアーが一部で大人気です」
隠居:「わしも大賛成じゃ。善男善女の胎内巡りじゃの」
丁稚:「いえ、このツアーの参加者はたいがい、後ろ暗い人達が・・」


| どっと・かめ | 2017/03/17 11:24 AM |
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